- 【社長のひとこと 第20回】展示会は未来の日本を紡ぐ出会いの場~インターナショナルジョブフェアを終えて~
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2025年11月7日〜8日に開催されたインターナショナルジョブフェアを無事終え、多くの出展企業・支援団体・来場の海外留学生の皆さまの熱意と期待の中で、改めてこのイベントが果たす役割と意義を強く実感しました。
主催者として、また産業界・教育機関・行政・支援機関それぞれの立場から改めて振り返りたいと思います。

1.海外留学生を取り巻く就職事情
近年、日本における外国人留学生数は増加傾向にあり、例えば2024年5月1日時点で在籍数は約33万6708人と、前年度比約20%超の増加となっています。
一方で、卒業・修了後に日本企業等へ就職する留学生の割合・就職活動時のハードルには依然として大きなギャップがあります。例えば、専門学校や大学の外国人留学生の「国内就職率」は、専門学校で34.6%、大学学部で32.4%というデータもあります。
就職希望者の調査では、「日本で働きたい」と答えた人は88.7%にのぼる一方で、「日本語力」や「日本企業の就活プロセスが分からない」といった課題を留学生自身が挙げています。
このように、留学生は日本での就職を強く希望しながらも、制度理解、日本語・コミュニケーション、企業文化のギャップなど複合的な障壁に直面しており、支援の必要性が明らかです。
2.ジョブフェア開催の意義・イベントの振り返り
このような背景を前に、「インターナショナルジョブフェア」が果たす意義は大きいと感じました。
まず、 留学生・外国人材と、採用を考える企業・自治体・支援機関とが 一堂に出会える場 を提供することで、物理的な“接点”と“対話機会”を創出できたこと。イベント概要にも、「外国人材の就職/転職、外国人材を採用したい企業、サポート企業とのマッチング展示会」と明記されています。
次に、 セミナー・相談コーナーを通じて、留学生が抱える「日本の就活の流れ・企業文化・ビザ・生活支援」などの疑問・不安を解消する機会も設けられていた点。実際、面接対策、ビザ手続き、特定技能の説明など多様なプログラムが準備されていました。
さらに、企業側や教育機関側にとっても、留学生・外国人材の“価値”や“活躍可能性”を直接感じ取れる場となり、採用・活用の視点を刷新する契機になったと感じます。例えば、日本企業や自治体が「多様な人材を取り込む」という観点を本格化させている今、このようなマッチングの場は重要です。
こうして、主催者として「出会い」「理解」「採用のきっかけ」を同時に提供できた点が、今回イベントの最大の手応えでありました。
3. このイベントの存在意義と目指すところ
「インターナショナルジョブフェア」の存在意義と、私たちが目指すべきところを以下のように整理しました。
ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の実践拠点として:
グローバル化・人口減少が進む日本社会において、国外出身の留学生・外国人材の就労・定着は、企業・地域・社会の活性化に直結します。本イベントは、その接点を生み出す“場”として非常に重要です。
“機会平等”の拡大:
言語・文化・情報格差のある留学生に対して、就職の機会を公平に提供するためのプラットフォームという意味を持っています。
企業・地域・教育の三者連携の触媒として:
留学生・人材支援・企業・自治体・教育機関が出会い、協働することで、企業の採用・教育機関のキャリア支援・自治体の地域人材外国人活用といった“3 Win”を実現するきっかけとなります。
定着と成長を視野に入れた中長期視点の育成の場:
単年のマッチングだけでなく、留学生の日本でのキャリア展開(3年・5年・10年)を考えた支援設計を促す“継続プラットフォーム”として進化させることが目指すべき姿です。
私たちは、このイベントを、留学生・外国人材が「出発点としてまず立ち寄るべき場」として、企業・支援機関が「採用・活用を本気で検討するならまずここへ」という場として、さらに価値を高めていきたいと考えています。留学生一人ひとりが「日本で活躍したい」「可能性を発揮したい」と考え、その道を開くきっかけを持てる――そのような機会を創出するために、本フェアは存在します。
改めて、本イベントにご参加いただいた皆様、ビジネスマッチング・出展・来場・そしてスタッフとして奔走された全ての方々に感謝申し上げます。今後とも、より多くの“可能性”を繋ぎ、日本社会・企業・地域の未来を拓いてまいりましょう。





